ポータブル電源がいらないと言う方は、ただの余計な出費や不必要なアイテムに思っているかもしれません。しかし、ポータブル電源は「いらない」ものではありません。生命保険と同じで「万が一の時になって気づくもの」だからです。
停電が長引いて、スマホの充電が無くなるとしたらどうでしょうか?充電ができる安心感があるだけで、少しは落ちけるのではないでしょうか。
この記事では、ポータブル電源が必要ないと思われがちな理由を具体的に探りつつ、実際にはどのような場面で「あれば嬉しい」かを説明します。
日常生活や特定の状況においてポータブル電源がどのように役立つかを想像することで、「いらない」という価値感が変わります。身近な環境を想像して、記事を読み進めてください。
ポータブル電源がいらないと言われる6つの理由
ポータブル電源が気になるから検索してみると、「いらない」という内容を見かけます。「いらない」と言われる主な内容を、以下のとおりまとめてみました。
- 使用頻度が少ない
- 代替え品で十分
- コスパが悪い
- 重量やサイズが持ち運びに不便
- 廃棄方法がわからない
- メンテナンス方法がわからない
以前は私も同じようなことを思っていました。詳しく見てみましょう。
1.使用頻度が少ない
ポータブル電源が必要とされる場面は、実際の使用頻度は人それぞれで大きく異なります。特に、都市部に住んでいる人や電力インフラが整っている地域の方にとっては、ポータブル電源を頻繁に使用する機会はそう多くありません。たとえば、日常生活においては電源の確保に困ることは少なく、ポータブル電源の出番がほとんどないという声も少なくありません。
アウトドア活動やキャンプなどの趣味を持つ人にとっては、ポータブル電源が大いに役立つことがあるでしょう。しかしこの趣味を頻繁に行わない人にとっては、高価なポータブル電源を持つこと自体が余計な負担になりかねません。実際、ポータブル電源を購入したものの想定していたよりも使用頻度が低く、保管するだけで終わってしまうケースも少なくないのです。
このように、ポータブル電源が「いらない」と感じる大きな理由の一つが、その使用頻度の低さにあります。確かに災害時などの緊急事態では非常に有用ですが、それを除く日常では、ポータブル電源の必要性を感じる瞬間は思いのほか少ないと感じる方がいます。
2.代替え品で十分
既にポータブル電源のような電源を供給する代替品を所有し、機能に満足している場合があります。
たとえばモバイルバッテリーはポータブル電源と比較してはるかに軽量であり、スマホやイヤホンはこれで十分です。他にもタブレットやその他の小型電子機器の充電は、容量の小さいモバイルバッテリーで充分対応可能です。日常生活での外出時においては、ポータブル電源が活かされる場面は少ないでしょう。
また、非常用バックアップ電源としては、UPS(無停電電源装置)があります。UPSはオフィスでの短時間の停電に対応し、パソコンのデータ損失を防ぎます。特定の用途に特化した製品が存在するため、ポータブル電源をわざわざ選択する理由がなくなります。
3.コスパが悪い
ポータブル電源は高価であり、コスパ(費用対効果)は使用状況によって大きく異なります。
大容量モデルの場合、10万円を超える価格が設定されていることが少なくありません。この初期投資は、日常的にポータブル電源を使用する機会が少ない方にとっては大きな負担となります。
ポータブル電源の便利さが、価格に見合っているとは限りません。たとえば、一般的な家庭用電源や既存の電気設備で十分対応できる場合、ポータブル電源の存在意義は薄れることになります。ポータブル電源を使うことで得られる節約効果や利便性が明確でない場合、価格に見合っていないと感じます。
4.重量やサイズが持ち運びに不便
アウトドアや災害時に持ち出す可能性がある方にとっては、持ち運び可能なサイズが求められます。
ポータブル電源は大容量と高い出力能力を確保するために、必然的に重量が増加しサイズが大きくなる傾向にあります。たとえば一般的な1000Wh超のポータブル電源は、10kg近くにもなることが大半です。電力供給が必要な場所まで運ぶために、簡単に持ち運びできる重さでないと感じる方がいます。
さらに、ポータブル電源の大きさが問題となることもあります。車のトランクやキャンプ用の荷物として持ち運ぶにはかさばり、限られたスペースを効率良く使いたい場合には不便です。このため、よりコンパクトな代替品が適していると感じる方もいます。
5.廃棄方法がわからない
ポータブル電源の廃棄方法がわかりにくいことは、購入をためらわせる大きな理由の一つです。
ポータブル電源には一般的にリチウムイオン電池が使用されています。リチウムイオン電池は、廃棄時に特別な取り扱いが必要であり、適切な処理をしないと環境に有害な影響を与える可能性があります。しかし、国で統一された処理方法がなく、地域によって対応が異なります。
製造メーカーによってはリサイクルサービスがあり、不要になったポータブル電源を回収してくれます。購入する家電量販店では、ポータブル電源を回収するサービスがない店舗もあります。購入する際は、処理方法まで考慮して公式サイトで回収サービスを確認できるメーカーを検討してみましょう。
6.メンテナンス方法がわからない
誰しも技術的な知識があるわけではなく、メンテナンスの方法がわからない方がいます。
ポータブル電源はリチウムイオン電池を使用し、定期的な充電や適切な保管が必要です。バッテリーは長期間使用しないと自己放電を起こし、性能低下や寿命が短縮してしまう可能性があります。具体的なメンテナンス方法や管理が使用者に十分に伝わっていない場合が多いです。
高温や極端な低温、湿度などの使用環境ではバッテリーの劣化を加速させることがあります。これらの環境要因にどのように対応すべきかの情報が不足していると、結果的にポータブル電源の購入を避けることになります。
ポータブル電源のメンテナンス方法がわからないと、その利便性や実用性を大きく損います。製品を購入する際は、取扱説明書やメーカーからのサポートが充実していることを確認しておきましょう。
ポータブル電源の代わりになるもの
ポータブル電源がいらないと思われる原因は、代わりに電力供給できるものがあるからです。ここで紹介するものを持っている方は、ポータブル電源が不要と思う方もいるかもしれません。
モバイルバッテリー
ポータブル電源とよく比較されるものとして、モバイルバッテリーがあります。モバイルバッテリーは携帯性に優れ多くのシチュエーションで重宝されていますが、使用状況によってはポータブル電源の代わりとして機能しない場合もあります。
モバイルバッテリーがポータブル電源の代わりになるケース
スマートフォンやタブレットなどの小型デバイスの充電はモバイルバッテリーで十分です。外出時や通勤中など、手軽に持ち運べるモバイルバッテリーは、これらのデバイスに迅速に電力を供給するのに適しています。
ハイキングや短期のキャンプなど、比較的軽装備で行うアウトドア活動では、照明やGPSデバイス、カメラの充電にモバイルバッテリーが役立ちます。大容量のポータブル電源を持参するほどの必要はなく、軽量でコンパクトなモバイルバッテリーで十分な場合が多いです。
モバイルバッテリーがポータブル電源の代わりにならないケース
複数日にわたるキャンプや災害時の非常用電源としては、モバイルバッテリーでは対応しきれないことがあります。冷蔵庫や電子レンジ、大型の照明装置など、高出力や長時間の連続使用を要求される電化製品を稼働させるには、より大容量で高出力を提供できるポータブル電源が必要です。
カメラや撮影機材、ドローンなどのプロ用機材を長時間にわたって使用する場合、モバイルバッテリーでは供給可能な電力が不足することがあります。これらの機器は高い電力を要求するため、ポータブル電源が適しています。
発電機
発電機は強力な出力と稼働時間の長さから、ポータブル電源と比較されます。発電機が適切となる場面とそうでない場面があります。
発電機がポータブル電源の代わりになるケース
大型のイベントや建設現場などでは、照明、音響機器、大型電動工具など多くの高出力機器が同時に使用されます。このような場面では持続的かつ高出力を供給できる発電機が必要とされ、ポータブル電源では対応が難しいため、発電機が適しています。
また、長時間にわたり一定以上の電力を必要とする場面があります。大人数での使用や長期間で安定供給を必要とする場所では、非常用電源として極めて有効です。
発電機がポータブル電源の代わりにならないケース
発電機は運転中に大きな騒音を発生させるため、静かな環境が求められるキャンプや住宅地、夜間の使用では不向きです。ポータブル電源は静音性が高く、発電機に比べて騒音をほとんど発生させません。
また、発電機は一酸化炭素を含む排気ガスを排出するため、室内での使用は非常に危険です。屋内での電力需要は、無排気で安全なポータブル電源が適しています。
発電機はその高い出力能力と稼働時間の長さから、大規模な用途や災害時のバックアップ電源として非常に有効ですが、使用環境や必要条件によっては、静音性や安全性を重視するポータブル電源の方が適切な選択となる場合があります。
【利用シーン別】ポータブル電源の必要性
以下の利用シーンでは、代替え品ではなくポータブル電源が優れているといえます。
- 車中泊
- キャンプ
- 災害対策、防災
ここでは、それぞれのケースについて詳しく見てみましょう。
車中泊
旅行やアウトドアと並び人気のある車中泊は、ポータブル電源が非常に役立ちます。具体的には、以下の場面でポータブル電源が使用されています。
- 車内での電化製品の利用:
車中泊では、冷蔵庫、電子レンジ、電気ケトルなどの家電製品を使用することがあります。これらは快適な車中生活を過ごすためには必要であり、ポータブル電源により安定した電力を確保できます。 - 照明と暖房:
車内の照明やヒーターの使用は、特に夜間や寒冷地での車中泊において重要です。ポータブル電源を使用することで、車のバッテリーを消耗することなく長時間稼働させることが可能です。 - デバイスの充電:
スマートフォン、タブレット、ノートパソコンは車中泊では必需品です。ポータブル電源があれば充電に困ることなく、常に使用可能な状態を保つために役立ちます。 - テレワーク設備:
近年ではテレワークを行いながら車中泊を楽しむ人が増えています。ポータブル電源は、インターネットルーターやその他のオフィス機器を動かし、移動先でも仕事を続けられます。
上記の利用例からもわかるように、車中泊ではポータブル電源が多様な用途で活用され、快適で効率的な車内環境を提供します。特に、車のバッテリーを節約しつつ、長時間にわたる安定した電力供給が求められる場合、ポータブル電源は非常に価値のあるアイテムとなります。
キャンプ
自然の中でキャンプしながら、電子機器を使用する機会も増えています。ポータブル電源は、このようなアウトドア活動で、多数の電化製品を使用でするのに重宝します。以下は、キャンプでポータブル電源がどのように利用されるかの具体的なケースです。
- テント内外の照明:
キャンプでは夜間に安全で快適な環境を確保するために適切な照明が必要です。ポータブル電源を使用してLEDライトやランタンを長時間稼働させ、夜間でも明るさを確保します。 - 料理や食品保存のための家電使用:
ポータブル電源を使えば、電気グリル、ポータブル冷蔵庫、スロークッカーなどのキッチン家電を使用して、本格的な料理を楽しめます。特に車載冷蔵庫が使えるのが便利との声が多数あり。氷が長時間保管できたりキャンプ食の幅が広がったり、食材の長期保存も容易になります。 - デジタル機器の充電:
キャンプ中でもスマートフォン、カメラ、ドローンなどの電子機器は欠かせないアイテムです。グループキャンプだと充電がなくなって困る人もでてきます。これらの機器を充電するために、ポータブル電源は非常に便利です。
自然の中での快適さと便利さを大幅に向上させるため、ポータブル電源はキャンプ愛好家にとって欠かせないツールとなっています。
災害対策・防災
電力会社の計画停電や災害による停電では、ポータブル電源があればいつもと同等の生活レベルを維持できます。以下は、災害対策と防災においてポータブル電源がどのように使用されるかの具体的なケースです。
- 緊急照明と通信:
災害時の停電に備えてポータブル電源で照明を確保し、暗闇の中でも安全に過ごせます。スマートフォンや他の通信機器の充電も可能であり、情報収集や外部との連絡に役立ちます。 - 家庭用医療機器の稼働:
命に関わる家庭用医療機器(例えば、呼吸器や携帯型酸素濃縮器など)が必要な方もいるでしょう。ポータブル電源は非常時の電源を確保し、機器を稼動させ続けられます。 - 冷蔵庫の電源供給:
食品や薬品を保存するために冷蔵庫の電源確保ができると安心です。大容量のポータブル電源があれば、長時間にわたって冷蔵庫を稼働できます。 - 情報収集のためのデバイス使用:
ラジオやテレビ、インターネット接続など、災害情報を収集するための機器の電源を確保できます。正確な避難指示や安全な行動指針を迅速に受け取ることが可能です。 - 暖房器具の使用:
寒冷地での災害発生時、ポータブル電源を使用してヒーターや電気毛布などの暖房器具を稼働させられます。少しでも寒さをしのぎ、避難者のリスクを軽減して快適性を保ちます。
具体例からも分かるように、ポータブル電源は非常に多くの重要な役割を担っています。特に、予測不可能な災害での生活をサポートし、被災者の安全と生命を守るために重要な役割があります。
ポータブル電源の購入者の口コミや評価
まとめ:ポータブル電源は「あったらうれしいもの」
ポータブル電源が「いらない」と言われる理由を確認しました。日常生活での使用頻度が低かったり既に代替品で満足している場合、またはコストパフォーマンスや持ち運びの不便さからポータブル電源が必要ないと感じる方もいるでしょう。しかし、ポータブル電源が「いらない」ものではなく、「あったらうれしいもの」である理由も、明らかになりました。
ポータブル電源は、予期せぬ停電や災害時に家庭の電力を確保し、命を守る重要なバックアップ電源となり得ます。アウトドアや車中泊などのレジャー活動においても、その便利さは計り知れません。必要とするシーンや状況に応じて、豊富な電力供給を提供しより快適で安全な環境を実現します。
ポータブル電源は日常から非常時に至るまで、私たちの生活を豊かにし支えてくれます。決して「いらない」ものではなく、「あったらうれしい」存在です。人気のあるポータブル電源をチェックして、もしポータブル電源があったらどんな場面で役立つか想像してみましょう。